予測記憶法は、短期記憶を長期記憶へ効率よく変えるための根幹となる暗記方法です。
予測記憶法を使えば長期記憶にするための復習回数を激減させられます。覚えた英単語の復習が3回になるか、10回になるかでは労力が全然違ってきますから、知っておいて損はないでしょう。
予測記憶法とはあなたが覚えた知識を復習するとき、あらかじめ予測して答える暗記方法です。例えばあなたが歴代の内閣総理大臣を覚えたとしましょう。そして、以下のようにあなたは復習してみました。
1代目:伊藤博文
2代目:黒田清隆
3代目:山縣有朋
4代目:???
すると4代目がわかりませんでした。
このとき、普通ならあなたはすぐに教科書や参考書を手に取って調べようとするはずです。しかしまだ我慢してください。
予測記憶法ではここで教科書や参考書は見ずに、予測します。間違っても良いので予測するのです。
「4代目は誰だったかな?」
「松山さんだった気がする!」
こうやって予測したあとに教科書や参考書で確かめてみます。すると、
「そうだ!松山ではなく松方正義だ!」
ここであなたは間違いに気づきます。このように予測してから答えを知るほうが、少ない復習で長期記憶へと知識を定着できるのです。
予測記憶法が効果的なのは、人は失敗した経験を強く記憶するようにできているからです。あなたも過去の自分を振り返ってみてください。失敗したことは記憶に残っていませんか?
人は間違えたことは比較的容易に覚えられるように出来ているのです。この仕組みを勉強の記憶に活かさない手はありません。
予測記憶法では、自分で積極的に間違える状況を作り出していくのです。
ただ、注意してほしい点があります。
それは、真剣に予測しないと記憶効果が弱いということです。真剣に予測しているかどうかの判断は、予測して答えを確認した時、
「しまった!」
とか、
「そうだった!」
と思えるかどうかです。
そう思えたのであれば、予測記憶法がうまくいっている証拠です。
復習で覚えたことを思い出せないときは、すぐに答えを見ずに予測してから答えを確認すること。予測記憶法を取り入れることで、効率よく長期記憶として知識を定着させることが出来る。